アンフォーストエラーよりウィナーの方が勝率への影響高い!
公開日:
最終更新日:2017/07/25
2017/07/25
トッププロの試合では、ウィナーの方がアンフォーストエラーより勝率への影響が大きいことがわかりました。
ところで、ウィナーとアンフォーストエラーって?
ウィナーとアンフォーストエラーとは
プロ選手の試合で、Statsデータ(統計データ)をみてみると、ウィナー数(Winners)やアンフォーストエラー数(UnforcedErrors)が記録されています。
全仏オープン決勝Stats ジョコビッチvsワウリンカ
2つの言葉の定義については、
ウィナー
・・・相手がボールを少しも触れずに決まったポイント(サーブ以外)
アンフォーストエラー
・・・自分に原因があるエラーポイント(サーブ以外)
となります。
ウィナーとアンフォーストエラーの勝敗への影響
もちろん試合に勝つためには、ウィナー数が多く、アンフォーストエラー数が少ないことが重要になります。ただ、それぞれどれだけ勝率に影響があるのか、どっちの方が大事なのか。
気になったので、
2015年全仏オープンの男子シングルス124試合のデータを、公式サイトから抽出して確認しました。
分析してみると、
ウィナーは、だいたい5本に1本以上あれば、勝率は81%となることがわかりました。
また、アンフォーストエラーは、だいたい5本に1本以上あると、勝率は35%と低くなってしまうことも
どうやって算出したのかを説明します。
全試合のウィナー数をトータルポイント数で割った数値を「ウィナー率」とし、
この「ウィナー率」がどれだけ勝率に影響したかを算出
アンフォーストエラー数も同様にして、「アンフォーストエラー率」を指標としました。
アンフォーストエラー率よりウィナー率の方が勝率への影響が大きい
2つの指標がどれだけ関係性が強いかを評価する相関係数を用いました。相関係数を算出すると、
ウィナー率と勝率の相関係数・・・0.5
アンフォーストエラー率と勝率の相関係数・・・0.3
と、ウィナー率の方が相関係数が高く、勝率への影響が大きいことがわかります。
ウィナーは、だいたい5本に1本以上あれば、勝率は81%
ウィナー率を分布にすると↓のようになります。前述したウィナー数を、勝者のウィナー数と敗者のウィナー数とわけてグラフ化しています。
・勝者のウィナー率
=勝者のウィナー数/トータルポイント数
・敗者のウィナー率=
敗者のウィナー数/トータルポイント数
勝者のウィナー率の平均値は19%で、
勝者のウィナー率が19%以上となる試合は66試合。
敗者のウィナー率が19%以上となる試合は15試合。
つまり、ウィナー率が19%以上となれば、81%(81試合中66試合)の確率で勝てる、となります。
ウィナー率19%はだいたい5ポイントで1回ウィナーをとれていることになります。
アンフォーストエラーは、だいたい5本に1本以上あると、勝率は35%
アンフォーストエラー率を分布にすると↓のようになります。敗者のアンフォーストエラー率の平均値は18%で、
敗者のアンフォーストエラー率が18%以上となる試合は53試合。
勝者のアンフォーストエラー率が18%以上となる試合は28試合。
つまり、アンフォーストエラー率が18%以上となれば、65%(81試合中53試合)の確率で負ける、となります。
試合をみるときの参考に
以上、ウィナー率とアンフォーストエラー率の勝率への影響を確認しました。あくまで確率ですので、逆の結果になることももちろんあります。
ただ、一つの目安にはなるでしょう。
杉山愛さんもコラムで、 ウィナーやアンフォーストエラーを確認することで試合の流れや試合の質を把握することができると言っています。
プロ選手の試合をみるときの参考にしていただければ。