東京オリンピックで活用される最新スポーツテクノロジー
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東京オリンピック開催まで1年を切りました
リオで銅メダルをとった錦織圭は、2大会連続のメダリストとなれるか。2018全米、2019全豪とグランドスラムタイトルをとった大坂なおみの金メダルも期待されています。
最新テクノロジーを駆使した演出に期待
日本人選手の活躍も楽しみですが、それ以外にも楽しみにしているものがあります。それはテクノロジーを活用した演出です。
近年のオリンピックは、最新のテクノロジーを駆使した競技の演出が披露されており、企業の技術力をアピールする場にもなっています。
競技の認知度を高めるチャンスだと、テクノロジーを取り入れて演出を工夫する競技も増えてきました。
スポーツ好き、テクノロジー好きな自分にとって、こうしたスポーツ×テクノロジーの組み合わせはワクワクします。
今回は東京オリンピックに向けて開発が進められてる技術で、自分が注目している3つの技術について簡単に紹介したいと思います。
①体操競技の自動採点システム(富士通)
東京オリンピックでの導入を目指して、体操連盟と富士通が協力して採点支援システムの開発が進められています。選手に短波長のレーザーを照射することで身体の動きをリアルタイムにモニタリングし、採点を支援するシステムとなっています。身体の回転の角度や速度など、動きを詳細かつ正確に把握でき、そのデータを採点の参考にするものになるかと思われます。
審査側の審査技術のばらつきやバイアスなどを取り除く効用だったり、選手の動きを定量的に把握できるようになるので、導入のメリットは多々あるはずだと期待しています。
レーザ照射システムといえば、テニスでも活用されています。短波長のレーザをコート全体に照射し、ボールや選手の移動軌跡を検出し、検出結果をスタッツとして情報提供しています(Foxtenn社)
また、自動運転など先端技術の分野ではLidar(Laser Imaging Detection and Ranging)とも呼ばれており、厳しい競争の中開発が進められています。今後もこうしたセンサー系の技術は技術レベルが飛躍的に向上し、かつ低価格化、小型化が進められ、スポーツの分野にもどんどん転用されれていくものと予想されます。
この体操自動採点システムは、採点だけでなく体操技術の向上など練習に活用したり、他の採点競技(フィギュアスケートなど?)への転用もありそうで今後も楽しみな技術です。
画像出典:
体操採点支援システム
②インテルの陸上トラッキングシステム「3D Athlete Tracking (3DAT)」
インテルの3Dトラッキング、映像でみるの初めて。東京オリンピックが楽しみだあ。 https://t.co/1zXz2zXH1G
— おたこ (@otakoma) September 14, 2019
「インテルはいってる亅でおなじみの半導体の会社、インテルが開発している陸上トラッキングシステム。陸上選手の動作を解析する姿勢推定や人物検出などをを行って、中継の情報をリアルタイムに提供する、というものです。
表にでてきてる情報は少ないので詳細情報はわかりませんが、上の動画や、姿勢推定の単語などから面白いものがでてきそうだと期待感が高まります。
インテルはこの他にも、スポーツの分野で様々な取り組みを進めています。スポーツベンチャーと提携したり、インテル公式サイトでは、VR、360°リプレイ、などの単語がでてきており、力の入れようが伝わってきます。
スポーツの分野では、映像解析など重い処理をリアルタイムに演算処理する必要があり、半導体などプロセッサーの性能が非常に重要になります。インテルにとっては自社製品の価値を高めることになりますから、スポーツテクノロジーに投資をしているかと思います。
③「Fencing Visualized(フェンシング・ビジュアライズド)」
第72回全日本フェンシング選手権大会にて採用された、AR技術を用いて剣先の軌跡を可視化する基幹技術「Points of a sword visualization system」をライゾマティクスが開発しています。 pic.twitter.com/FDPHs8etrJ
— Rhizomatiks (@rhizomatiks) November 6, 2019
このプロジェクトは太田会長の強い思いから生まれたもの。マイナー競技であるフェンシングにお客さんにきてもらって楽しんでもらう、そのためにはエンターテインメント化が必要だと。
そしてフェンシングを知らない人でもわかるように可視化が必要だと。こうして生まれたプロジェクトが「Fencing Visualized(フェンシング・ビジュアライズド)」です。
フェンシング協会とライゾマティクス、電通が共同して、技術開発を進めています。ライゾマティクスは紅白のパフュームの演出でも深層学習や機械学習を用いており、深層学習などの先端技術を演出に取り入れるのがうまい、という印象があります。
上の動画でわかるかと思いますが、剣先の軌跡を検出して、実際の映像にAR合成することで剣先をライトアップした映像にし、軌跡のビジュアライズを行っています。
剣先の検出には、深層学習(AI技術の1つ)を用いているとのこと。こうした一連の処理をリアルタイムに行い、お客さんに提供できていることが驚きです。
オリンピックでこれをみて世界中の人たちがどういう反応をするかが非常に楽しみです。
最後に
以上、オリンピックに向けて開発が進められているスポーツテクノロジーについて紹介しました。
本記事では3つだけの紹介になりましたが、他にも多くの技術が活用されるかと思います。
また面白い技術をみつけましたら、紹介します。
そして、東京オリンピックシーズンでは、選手の応援だけでなく、先端テクノロジーを使った演出も楽しみながらオリンピックを堪能したいと思います。