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大坂なおみの全豪オープン決勝戦、試合の流れを可視化してみました【勝率推移シミューレーション】

公開日:
最終更新日:2019/04/09

      2019/04/09

こんにちは。

個人でテニスのデータ分析ツールをつくってる@otakoです。

大坂なおみの全豪オープン優勝記念です。「勝率推移シミュレータ」で決勝戦の試合の流れを視覚化してみました。

アップダウンのあった決勝戦

全米オープンに続き、2連続でのグランドスラム優勝になります。
偉業です。素晴らしい。

7-6(2)、5-7、6-4で勝ったP.クビトバとの決勝戦を、簡単ですが振り返ってみましょう。

・1stセットはタイブレークの場面でリターンエースが出るなど、攻めの姿勢でセットアップ。
・2ndセットも大坂ペースで試合は進み、5-3でトリプルマッチポイントまでいき、勝利は目前。
・しかし、このゲームを落としてから試合の流れはクビトバに。
・大坂なおみは涙を流すなどメンタルダウンもあり、2ndセットを落としてしまいました。
・形成逆転で、試合の流れはクビトバ側に。
・しかし、見事にプレーを立て直して3rdセットを制し、優勝をもぎ取ることができました。

すごいアップダウンのあった試合だったかと思いますが、こういう流れの行き来を可視化できたら面白いですよね。

前に錦織の試合を可視化したことがありますが、今回もそこで使った「勝率推移シミュレーション」で大坂の試合を可視化してみました。

可視化した勝率推移をプロットしたグラフは↓になります。

横軸がポイントで、縦軸が勝率です。
直近30ポイントのサーブポイント率で残りの試合を進行させたときの勝率を計算し、その推移をグラフにプロットしています。
詳しくは、こちらの記事に書いています。
テニスの試合の流れを可視化したく、確率シミュレーションを用いて勝率の推移をプロットしてみました【2018ウィンブルドン錦織】

2ndセット、5-3 40-0の場面は、大坂の勝率のピークで99.9%。勝利が目前だったことを数値でも表せています。
そこから相手に連続ポイントをとられ、大きく勝率を落とし11%。
極端に低い数値になっているのは、連続で11ポイント失った状況であったためです。

その悪い流れを断ち切り、質の高いプレーでポイントを重ねて勝率を上げていき、最後は勝利をもぎとりました。

GIFアニメーション版もつくってみました

少しでも臨場感が伝わればと思い、グラフをアニメーションにして動きをもたせてみました。

どうですかね。
試合の流れを伝えるって意味ではアニメーションの方がいいな、と思いました。

データビジュアライゼーションも頑張っていこうかな。

追記

直近30ポイントの平均ポイント率でシミュレーションしてますが、「平均するポイント数を減らしたり増やした場合にどうなるの?」というご意見があったので、計算結果を貼り付けておきます。

↓は20ポイントと平均するポイント数を減らした場合。

1ポイントの影響が大きいため変動が大きく、少しの連続ポイントで、勝率100%近くに上がってしまいます。
試合の趨勢を表すには適していないかなと。

こちらは、40ポイントと平均するポイント数を増やした場合。

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