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テニスのトラッキングデータを使って、各ショット時点の優勢・劣勢を示す指標をつくりたい

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テニスのトラッキングデータを使って、各ショット時点の優勢・劣勢を示す指標をつくりたい

テニスのトラッキングデータを使って、各ショット時点の優勢・劣勢を示す指標をつくりたいと思っています。

ポイント毎に期待勝率を算出し、優勢劣勢を指標化する勝率シミュレータをつくったことはありますが、そのショット版をつくりたいなと。↓は、各ポイントの勝率の変化をグラフに表したものになります。(大坂なおみの全豪オープン決勝戦、試合の流れを可視化してみました【勝率推移シミューレーション】

↓は、サーブ→リターンの次の3球目を打つ時点でのボールと選手位置をプロットしたものになります。デュースサイドに限定、1st・2ndは色分け表示しています。(テニスの映像分析ツールでボール着地点・選手の位置データを記録し、西岡・ナカシマ戦を分析

左はナカシマが3球目を打つ時点でのボールと選手の位置、右は西岡が3球目を打つ時点でのボール・選手の位置データとなります。ナカシマの方が、オープンスペースをつくれており、この時点ではナカシマが優勢であるのはあきらかです。

この優勢なポジション関係をつくったのはナカシマのサーブ力によるものですし、この優勢さの結果として3球目のポイントwon率はナカシマの方が高かったです。

この優勢劣勢の感覚を数値化することで、選手の力量やショットの質を議論しやすくなると考えています。

参考にしたいのは「サッカーのXGoals(Expected Goals)」と「将棋AI」

指標化を考える上で参考にしたいものは2つ。
・サッカーのXGoal(Expected Goals)
・将棋AI
です。

サッカーのXGoals(Expected Goals)は選手の位置情報からゴール期待値を示す指標

サッカーにはXGoalsという面白い指標があります。これはシュートを打つときに何%の確率でゴールすることを期待できる、とゴール期待値を数値化したものとなります。基本的にはシュートデータを全て記録し、シュートが決まった決まってない、シュートを打つタイミングでの選手の位置をデータ化して、その状況でのゴール期待値の平均値を算出しているようです。

リーグ全選手のXGoalsがあれば、その全選手のゴール期待値が低い位置でゴールできれば、その選手のシュートのレベルの高さを表すことができます。「ゴールから遠い厳しい状況でよく決めた!」と。逆にゴール期待値が高い位置でゴールできなければ、チャンスを活かせなかったと評価することもできます。あと、期待値の高いシュートを何本打ったかで試合全体の状況を評価することができます。サッカーはなかなか得点が入らないスポーツなので0-0でもどちらのチームが優勢に試合を進めたかを把握できます。

これと同じ考えをテニスにも適用できれば、選手やショットの質の評価をしやすくなるなあと。

AbemaTVの将棋AI(対局の形勢を判断するAIシステム)

対局の形勢判断を試合観戦に役立ててるという意味で、将棋AIは参考になります。最近の将棋観戦には、盤面をみて優勢劣勢をテレビ画面に表示することで、試合を盛り上げるのに役立っているようです。非常に面白い試みだなあと。

参考記事はこちら。
AbemaTV、将棋チャンネルに「形勢を判断するAI」導入 対局の勝率・最善手をリアルタイムに分析

対局の形勢をリアルタイムに分析し、両棋士の勝率をグラフ形式で表示するコンテンツがAbemaTVで提供されています。将棋に詳しくない視聴者も状況を理解しやすくなりますし、将棋に詳しい人もAIはこういう判断をするのかあ、とより理解を深めて将棋観戦することができます。

テニスでも、ショット毎、ポイント毎にこうした情報が画面に表示されれば、より観戦を楽しむことができると思っています。

試合分析と観戦のお供に役立たつはず

xGoalsのように試合分析に活用でき、将棋AIのように試合観戦のお供にできる、そんな指標をテニスでも開発して活用できればいいなあと。

まずはデータを集めること

ボールや選手の位置情報など統計データがベースになるので、データを集めないとショットの優勢劣勢評価システムはつくれません。こうしたトラッキングデータを一試合分取得したことありますが、作業としてはかなり大変です。

参考ですが、リコーが天井にカメラをむけて盤面を自動取得するAIシステムを開発運用しているようです。
AIによる将棋棋譜記録

自分も、テニスでも画像解析やAI技術を活用して選手やボールのトラッキングデータ(位置データ)を取得できるようにしようとしてますが、手作業部分が多く、実戦運用にはまだまだの状況です。ディープラーニング(深層学習)を活用してテニスのトラッキングシステムを作りたい

普及を夢見て頑張ります。

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