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【錦織圭 試合結果】 サービスエースをとられすぎた!? フェデラー相手にファイナルセットで敗北(全豪オープン4回戦)

公開日:
最終更新日:2017/07/23

      2017/07/23

エースのとられすぎが気になった

全豪オープン4回戦、錦織はフェデラーに6-7(4),6-4,6-1,4-6,6-3、と惜しくもファイナルセットで敗北し、ベスト16という結果に終わりました。

フェデラーのプレーは非常に素晴らしく、よく善戦したな、しょうがないな、という印象もあります。
ただ1つ気になったことがあります。

それは、サービスエースをとられすぎでないか、ということ。

1stサーブの被エース率は26.1%(24本/92本)と一番高い!

その疑問を確認するために、フェデラーと全豪で戦った右利きの4選手と被エース率を比較してみました。
被エース率とは、1stサーブが入ったときにどのくらいの確率でエースをとられているか、を表します。

fed-hiace-per

被エース率は「26.1%(24本/92本)」と4人の中で一番多いという結果になりました。
錦織は、サーブ力の差を埋めるためにリターンでポイントを稼ぐべき選手ですので、
この数字は多いと言っていいでしょう。

Adサイドのセンターでの被エース率が46.2%(12本/26本)と非常に多い!

次は、サイドとコースを考慮した被エース率をみてみましょう。

fed-hiace-side

錦織はAdサイドのセンターで多くのエースをとられていることがわかります。
46.2%(26本中12本)と非常に多いですね。

フェデラーはワイドにサーブを打って、次のストロークでオープンスペースに打ち込む、
という得意のパターンがありますから、ワイドをケアしすでたのでしょうか。

でも同じコース(センター)でエースとられすぎですね。

リターンポジションを変えるとか、コースを読みにいくとか、試合の中で修正してエースを減らせなかったのか、
改善できた点は、少なからずあったのかなと思っています。

2ndリターン率は高いのに1stリターンポイント率は低い

今度は被エース率による影響が高い1stリターンポイント率と、影響が低い2ndリターンポイント率を比較してみました。
全て全豪オープン対フェデラー戦のデータです。

fed-return-point-per

錦織は、2ndリターンポイント率は52%で一番良いのに、1stリターンポイント率は20%でS・ワウリンカ28%より低い数字となっています。

錦織は年間平均の数字でもこの傾向を持っています。
ツアー選手の中で、1stリターンポイント率は31%で15位という順位に対し、2ndリターンポイント率は54%で5位という順位になっていて、1stリターンポイント率の方が比較的低い数字となっています。これは被エース数や率も少なからず関係していると思います。

逆に、2ndリターンポイント率が高いのは、
サーブをちゃんと返球し、ストロークラリー戦に持ち込めば、多くのポイントをとれる、ということを意味していると思います。

ラリー戦に持ち込むためにも被エース数を減らすことが重要!

錦織は1、2を争うストローク力を持っていると思うので、いかにラリー戦に持ち込むかが大事かと思います。
そういう意味でも、被エース数を減らしたい。

たぶん、錦織本人、周りのコーチ陣にもその認識はあるかと思います。

今後に期待したいです

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